海の中にトンネルを作る…
当時、かなりキチガイな発想と思われたでしょう。
それをやってのけた
日本人の熱い情熱を見てみようではないか。
海底トンネルの作り方
作り方は3パターンあります。
通常工法
裸掘式とも呼ばれまています。
海底のさらに下の地盤を掘っていくスタンダードスタイルです。
排水をしながら掘り進んでいく正攻法ですね。
東京湾アクアラインや青函トンネルの工事はこの作り方です。
シールド工法
あらかじめ掘った穴にシールドカッターという
トンネルと同じ大きさのバカデカい掘削機を入れて
前進しながらトンネルを形成していきます。
通った後に鉄筋やコンクリートで型取りしていくわけです。
ほぼ無人で遠隔して作業が出来ます。
1日で10メートルくらいしか進まないようで
気の遠い作業になりそうです。
沈埋工法
地上であらかじめ作っておいたトンネルを
同じく海底に掘っておいた穴にいれるやり方です。
プレハブになった家を運んで組み立てるやり方と似てますね。
大陸間を結ぶ海底トンネルとして世界初の
トルコの大陸間海底トンネルはこのやり方です。
海水の問題
陸上でトンネルを掘るんじゃないので
海水をどう処理しながら作っていくのでしょう?
全国の海女さんが集結して掘ってる訳ではないですよ!
影の功労者 ヨコタのポンプ
海底トンネルには文字通り海の中にあるので
水の侵入には絶対的な対応と安全性が求められます。
世界初の海底トンネルの「関門海峡トンネル」と
世界最長の「青函トンネル」は
ヨコタ社製の排水ポンプ が使われています。
1939年に着工、1958年に完成
全長は 3.5km、海底部の長さは 780m、
最深部の海面からの深さは 56m
車が通るメインのトンネルとは別に
水抜き用のトンネルとポンプ室を作っており
地上に一気に送るのです。
1日に何千トンと水の侵入がある中で
ポンプに与えれられる厳しい条件があります。
深い地下から地上に送るので高揚程であること。
空気の混入があっても吸上げ運転に支障をきたさないこと。
ウォーターハンマーが起こらないように対策されていること。
耐久性があること。
無人自動運転ができること。
保守点検がやりやすいこと。
特に海水を扱う場合には、腐食しにくいこと。
ポンプが停止した場合、水が逆流して
ポンプ自体に水の圧力によるダメージがかかること
㈱横田製作所は、「炭鉱掘進用ポンプ・バルブの開発」
をきっかけに1953年に創業され、
待ちに待ったステージに上がる日がきました。
1958年に関門トンネルが完成時は
一般的なポンプが使われていましたが
1973年の新規取替工事の際に、
後継機種としてヨコタ自吸式ポンプが採用。
それ以降はヨコタ式ポンプに魅了。
現在に至っています。
1994年から 1995年にかけては、ポンプの更新がされ
ポンプ材質に新開発のヨコタ耐海水ステンレスを採用し、
ますます耐久性をアップして、
メンテナンス費用の削減にも貢献しています。
なんといっても魅力は「無水撃チェッキ弁」であろう。
特許を取得している逆止弁です。
ポンプが停止した場合、地上に出る水が逆流します。
何トンもの水が重力によってポンプに戻ってくるので
かなりのウォーターハンマー(水撃)になります。
無水撃チェッキ弁は正流から逆流に変わる瞬間に
弁が閉鎖されるのでウォーターハンマーを防げるのです。
それに合わせて無送水検知器によりポンプも停止する為
ポンプの空運転を防止することができます。
ヨコタのポンプの素晴らしさは伝わったと思いますが
まだまだ言い尽くせないくらい技術は詰まっています。
私も予め危険が予測できる
「人生チェッキ弁」がほしいです。
まとめ
作り方は大きく分けて3種類ある
排水の必要がある為、ポンプにも高度な技術が必要
はじめにキチガイな発想と言いましたが
勝算があって、緻密な計算の下に
安全な海底トンネルが成り立っているんですね。
家の近くにある
「衣浦トンネル」に行きたくなりました。
意外にも衣浦トンネルは
日本初の沈埋式海底トンネルでした。
ダンボールは保管しておくと大変なことになりますよ。
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段ボールは保管しないほうがよい?捨てるまでとっておくと危険!